永尾浩さん
2014年9月12日(1)

午前10時。
東京都町田市のデイサービスに、浩さんはいました。
「永尾さん、今日は午前中、何したいですか?」
「皆はどうするの?」
「今度のバーベキューの買い出しに行く人たち、
洗車の仕事もあるし、
ここに残って、保育園の子どもたちに渡す雑巾をつくる人もいます」
「それなら買い出しでしょう」

これ(キャップ)がないと
パンツ履いてないのと同じですから

さぁ、行きましょうか!

買い出しチームが外に出ると
爽やかな風とまぶしい太陽に包まれました。
空を見上げた浩さん、まぶしそうに目を細めて

いやぁ
上半身裸で日光浴してみたいもんだ

隣にいた松浦さん、すかさず
「寒いよ……懐が」
一同、笑いながら車へ。

どれがいいんでしょうかねぇ

焼き肉のタレを選ぶ浩さんと松浦さん

「どちらかというと、こちらの方が気になりますね」
ふたりの視線の先には…

浩さんの楽しみのひとつは、1日の終りのお酒だそうです。
「浴びるほどは飲みませんよ。
聞かれた時にはこう言うんです、『そこそこ嗜む程度です』ってね」

女性は下がってて
こういう時のために僕らがいるんだから

木炭、紙コップ、お皿、飲み物…
予定の買い物を終えて
トランクに詰め込みます

浩さんは言います。
「ここは、あれしろ、これしろという縛りがないですから
自分が過ごしたいやり方で、過ごすことが出来るのがいいね。
かといって、皆がてんでバラバラに、気ままなことやってるわけでもない。
場に合わせたり、配慮したり…そういうことがあって、成り立ってるんです。」

「ここで過ごすための配慮であれば、自分にとって苦にはなりませんよ。
ここにいたい、排除されたくないから、自分も配慮するだけです。
ここの人たちと合わせて、過ごし方をつくり上げていくんです。
決まった型がないからね。」

肩を張らずに気楽に過ごせる
…そういう人たちが集まってるんです。

浩さんたち買い出しチームは
「みんな」の待つ場所へ、帰っていきました。

わたしの暮らし 認知症と、よりよく生きるわたしの暮らし 認知症と、よりよく生きる

永尾浩さん
(ながお ひろし)

1936年福岡県生まれ。
自由人としての生き方を大切に、1日の終わりに美味しいお酒を飲めるよう、よい時間を過ごしたい。

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