鳴り響くブザー

心理学者は、
電気の棒を使って上から下へ行く道の跡をたどるように
私に言った。

うまくできそうだと思ったのだが、
始めてから千分の一秒もたたないうちに間違えた。
とたんに電子ブザーの大きな音がしつこく鳴り響いて、
私は脳にまだ残っているものまで壊れてしまうように感じた。

そのテストで、私は注意深く別の角を曲がり、
電気の棒で迷路の中をたどって行ったが、
私の目にはどうしても道順が見えなかった。
出発点は見えたが、下のほうの到達点は視界の外にあった。
しかもそこにたどり着くまでの間に、
障害物、曲がり角、湾曲した部分がごちゃごちゃとたくさんある。
私は必死になって迷路の端からもう一方の端まで道順を探したが、
ブザーは何度も鳴った。

引用:クリスティーン・ブライデン著
馬籠久美子・桧垣陽子訳
『私は私になっていく』クリエイツかもがわ
p.23〜p.24、2004

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