ストップウォッチ

この検査のほとんどで、
彼女(検査を行う臨床心理学者)
ストップウォッチを使って時間を記録した。
私は自分が遅いことはわかっていたから、
みんな――少なくとも彼女と私の担当医――が
記録を見るのかと思うと、よけいにやる気をなくした。

「チック、タック、チック」と、時計は大きな音で時を刻んだ。
自分の前に置かれたパズルや、聞かされた話、
思い出すべき番号のリストや名前を
なんとか理解しようとしてがんばっていると、
自分の脳はストップウォッチの秒針よりも遅いように思われた。

引用:クリスティーン・ブライデン著
馬籠久美子・桧垣陽子訳
『私は私になっていく』クリエイツかもがわ
p.23、2004

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