一度に一つ

私もつい今までの癖で、
二つ以上のことに同時に手をだしてしまうことは今もある。
少ない時間で
沢山のことをこなすことが求められた時代を生きてきた者の性は、
そう簡単にゼロセットできるものではない。

だが、私たちのような病を持つものにとって、
それは逆にアダとなる。
右手にナイフ、左手にカップを持続けてきた者が、
突然ナイフだけ、と言われて途惑うが、
ナイフだけを持つことが必要なのだ。
それでないと怪我をする。

以前は「新聞を読みながら」「食事を取った」が
今は出来ない。
新聞を見ながら箸を口に運んでくることが難しい。
まして、洋食のナイフとフォークで食べる……
などということは出来ない。危ない。

だから自分を積極的に飼いならして、
「一度に一つ」と私は決めているが……難しい!

引用:水木理
『ブログ 認知症一期一会』
2006.01.20

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