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介護体験談

呆け老人をかかえる家族の会 東京都支部版
きずな(2003年9月25日 180号)より

介護を終えて思うこと

東京都 T.N

アルツハイマー型痴呆だった母の一周忌を終えてホッとする間もなく、父の三回忌が近づいてきます。父と母のことを思い出すと、私は寂しく悲しいけれど、肩の荷を降ろしたような、複雑な思いがします。

両親の介護が終わり友人達と出かけられるようになって、私は友人達のグチの聞き役になりました。すると、グチの中に出てくる友人の両親や舅姑の様子が、加齢による物忘れを越えていることに気がつくようになりました。その気づいた点を友人達に伝えて、専門医の診察を受けることと、「家族の会」の「ぼけ老人てれほん相談」に相談することなど、早めの対処を勧めました。しかし、受診や「てれほん相談」につながらないのが実情です。

私が痴呆介護体験者なので、友人達にとっては私の指摘は重要な問題です。自分達が介護にかかわる可能性があるのですから。しかし、友人達の周りの人には「加齢による単なる物忘れを大騒ぎして病気にしてしまう」と受け取られてしまうことが多いようです。

舅姑と同居している人は舅姑に専門医を受診させるよう、夫と夫の兄弟を説得できないのです。自分の親でも別居なら、同居している兄弟やその連れ合いが納得せず、自分で親を伴って医師に相談に行くことすらできない場合が多いようです。

母の痴呆症に戸惑い、悩み、せつながっていた父は母を心配しながら亡くなりました。友人達のグチの中にいる、父と同じ立場の人の話を聞くと、私は父のせつない思いを感じ、私もせつなくなってしまいます。

父の母に対する様々な気持ちを思う度に、この病気の人に対して周りの理解が深まり、早い診断と適切な治療を受けられるようになることを願わずにはいられません。

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