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介護体験談

呆け老人をかかえる家族の会 京都府支部版
家族の会支部だより(2003年6月25日 244号)より

母の一番良い時代の歌

京都府 K.K

母は要介護5で寝たきり、意思の疎通も殆ど出来ない状態で特養ホームで暮らしています。息子である私の夫が面会に行っても「何もすることがない」と短時間で帰ってきます。

先日テレビで聖路加病院の日野原先生が「痴呆のお年寄りに歌がよい。懐かしい歌、特に校歌がいい」というようなことをおっしゃっているのを聞きました。

同居していた頃、母が“三高寮歌”を歌っていたのを思い出し、夫に「今度面会に行った時、歌ってあげたら・・・」と勧めたところ、「傍らで歌ってやるととても嬉しそうだった。声にはならなかったが、唇が動いていた。母の一番良い時代の歌だから」と夫も喜んでいました。その夜、夫の声でカセットテープに吹き込みました。「今より良くなって欲しい」熱い思いを込めながら。

テープレコーダー(オートリバース)を買ってホームへ持っていき、今は職員さんが食事の時(胃ろうですが)にかけて下さると反応を示すそうです。もっと早く気がついていたら良かったと思います。山ほどの情報があっても、受信側がチャンネルを合わせないと聞こえてこないものですね。人生ってそういうものかもしれません。

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