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介護体験談

呆け老人をかかえる家族の会 京都府支部版
(2002年9月25日 266号)より

「今や母の介護犬」

西京区 K.K

わが家には、クック(ゴールデンレトリバー)とピッピ(ミニチュアダックス)の2匹の犬がいます。

母がアルツハイマーで混乱期にさしかかる時、思いきってクックを飼いました。家の中で犬を飼うことに、母は反対だったのですが、アニマルセラピーを聞きかじっていた私達は半ば強引に飼いはじめました。

どこかおどおどした優しい犬で、母もその魅力にとりつかれ、1週間たったころは、一緒に寝ていました。毛並みの美しい犬でしたし、全然吠えませんので、他の人に「絹のような毛でとてもおとなしくて賢いですよ」と自慢していました。

私達がアニマルセラピーを実感したのは、母が混乱期に怒って部屋に閉じこもったりした時、クックだけは入れて、泣きながら話かけているのでした。もちろん口答えもしない、まったくの聞き役(?)ですが、不思議なことにだんだん落ち着いてきていました。助かりました。

2匹の犬は旅行でも買い物でもどこにでも連れていきましたので、車では母の隣がクックの指定席です。こんなにかわいがっている犬が死んだら落ち込むだろうと思い、4年ずらして小型犬を飼いました。こちらは吠えるので番犬にちょうど良く、やんちゃですから、言うことを聞かない時には、たたいたり、「めっ」をしたりと、母の表情は豊かです。しかし後から飼った犬の名前はもう覚えられず、どちらもクックと呼んでいました。成犬になっても小さいことから、何かあると「赤ちゃんだからしょうがないよ」といっていましたので、母にとっては孫、子供のような存在だったのでしょう。

クックはデイから帰る母を玄関に迎えに行き、ピッピは体をねじって全身で喜びを表現します。母は「もうしょうがないわねー」という感じで、いそいそ家に入ってきます。

この2匹は母だけでなく、どんなに私たちの心の癒しになってくれたかということは言うまでもありません。

昨年母は、脳内出血で倒れ、命は助かりましたが、寝たきりで、自分でしゃべることも、うなずくことも、食べることもできなくなり、在宅介護中です。しかし母のベッドの傍らにクックが寝そべり、ピッピは母が咳き込むと吠えて教えてくれます。ヘルパーさんが、そんな様子を見ていて「みんな家族の一員なんですねー」としみじみ語ってくれました。

クックとピッピは母専用の介護犬になり、今日も母を見守っています。

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