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介護体験談 「老人をかかえて」大阪府支部版
「ふれあい・おおさか」(2001年3月号)より 妻は宇宙人になった坂口 義弘
おやっ、何かおかしいと気付いて10年、アルツハイマー病と診断されて6年になる私の妻は、今では66才の若さで人間としての多くの機能を失ってしまいました。今からもさらに失いつづけるでしょう。 最近私の親友から「宇宙人みたいだね」と言われています。私との意思疎通ができなくなり、周囲への関心も極度に少なくなってきました。かろうじて草花や子供に対し、また特定の親しい人へ感情を口に出す程度です。名詞はほとんど判断出来ず、少しばかりの形容詞と動詞が理解できる宇宙人になってしまいました。幸いなことに、歩いたり走ったり、ふだんの運動機能はあまり衰えずに残っています。 今までは多くの人の助けを受け、あまり苦労を感じずに介護してきました。今は出来る限り病状の進行を遅らせてやりたい。人間性を失わせたくないと強く望み、日常ストレスがかからないように、安らかに日々が送れるよう気を配っています。苦労といえばそれが苦労です。 しかし、どんどんと未知の世界に、未経験の宇宙へと歩いていく妻を引き戻すことの出来ない苛立ち、不安、そして哀憐の情でいっぱいで、本当の苦労は今からと覚悟しています。 奥さんの介護の為に退官された元高槻市長も言っておられましたが「介護はほどほどが良い」ということには同感しています。介護による心身の疲労で共倒れを救うことであり、介護に手を抜くことではないと解釈しています。要介護者には安らかでやさしい介護、介護するものにはほどほどの介護のためには、ホームケア、施設、介護保険のバックアップが欠かせません。 私の場合、ホームケアについては日本ホスピス・ホームケア協会のやさしくて優れたケアワーカーさん達に恵まれ、訪問を心待ちにしている私の妻です。私も自分の時間が持て、閉塞感から解放され、「ほどほどが良い」に近い状況です。週1回ですが、NPOで運営されている他市の痴呆老人グループホームにデイケアをいお願いしていますが、 痴呆老人のためのディサービス、ショートステイの出来るグループホーム拡大、充実が特に望まれます。 私の妻のように若年性アルツハイマー病になった者にとっては、現状の施設では真のケアはとても期待できません。現在の保険制度では採算の面からグループホームの運営は困難と思われるが、ここでは行政の支援や痴呆老人の要介護度のアップと負担の軽減が強く望まれます。 最後になりますが、私達二人は未だそう老いてはいませんが、そのうち老老介護の段階に入っていきます。介護する私は自分の健康と事故に注意し、現在介護して頂いています3人のケアワーカーさんに深く感謝し今後の支援を切にお願い申し上げます。
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