世界アルツハイマーデー記念シンポジウム開催にあたって
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認知症介護研究・研修センター長
聖マリアンナ医科大学 理事長
長谷川 和夫 |
多くの人が長生きできる時代になって、認知症が関心を集めています。
その中でも、アルツハイマー型認知症は、認知症の原因疾患の中でも最も頻度が多く、脳血管性認知症と並んで対応に迫られています。
それにともない、毎年9月21日は「世界アルツハイマーデー」とされており、アルツハイマー型認知症についての講演会やさまざまな啓発運動が行われています。
世界アルツハイマーデーは、国際アルツハイマー病協会が1994年9月21日、英国エジンバラで開催した第10回国際会議の時に世界保健機構(WHO)の後援を受けて、9月21日を記念日としました。
すでに日本では、呆け老人をかかえる家族の会(現 認知症の人と家族の会)が全国41の支部組織をもって、認知症についての啓発活動や介護をめぐる相談支援事業を行っています。
今回の「世界アルツハイマーデー」を記念したシンポジウムは、一昨年大阪で始まり、今年で3年目になります。
ところで、認知症について、ことにアルツハイマー型認知症についての研究は、この数年間に格段の進歩を遂げました。
およそ30年前に、私は長谷川式スケールという診断用の尺度を開発しましたが、最近ではアルツハイマー型認知症の診断基準や画像診断などが日常診療に使われるようになり、早期診断は著しく進歩しました。
また、介護保険の施行とあいまって、認知症高齢者のケアも新しい展開が起こっており、2001年には全国3ヵ所に厚生労働省によって認知症介護研究・研修センターが立ち上げられました。ここでは認知症ケア指導者の育成と、介護現場に密着した研究が行われています。
さらに現在では、成年後見制度が実施され、認知症高齢者の権利擁護が法的に支援されることになりました。
人口の高齢化がさらに進行する昨今、認知症についての情報を正しく伝えていくこと、そして、もの忘れがひどくなって、認知症の疑いをもたれた方が、なるべく早く医療機関の適切な診断を受けていただくことが対応の第一歩です。
2004年には、国際アルツハイマー病協会の第20回会議が日本で開催され、呆け老人をかかえる家族の会が主催して京都で行われます。
認知症の患者様の生活を支えていくには、私たち国民の一人ひとりの理解と協力が大切です。
アルツハイマー型認知症の病態の研究を促進し、治療や予防への対策をさらに確立していくとともに、たとえ認知症になっても安心して暮らしていくことができるような社会、地域のしくみをつくっていこうではありませんか。
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